古今東西 豊富な食材
「レモン、ニンニク、パセリ、オリーブオイル」この4つがあればたいていの中東料理は作れます。その他にもヨーグルト、トマト、ディル、ミント、赤唐辛子、ひよこ豆など。
トルコは食料自給率が100%を超える国。北はロシアと黒海、東は中央アジアとイラン、南はアラブとアフリカ、西はバルカンと地中海から、ありとあらゆる食材が古今行き来してきました。なす料理だけでも400とも800あるとも言われるほど!
僕は33年間トルコに通い詰めていますが、今も毎回新しい料理に出会います。
トルコのお茶事情
トルコのチャイ文化は20世紀初頭にオスマン帝国によるコーヒープランテーションが失墜し、飲むものがなくなったときに生まれました。
トルコに行くと一日に10杯くらい飲まされます。以前は小さなチャイのグラスに角砂糖2つが基本でしたが、近年は健康のため都会人は砂糖は入れません。
トルココーヒー(Türk Kahvesi/テュルク・カフヴェスィ)も有名ですが、チャイと比べて値段が高いのと、淹れるのにCezve(ジェズヴェ)という道具が必要なため、特別な時に飲みます。カフヴェの専門店にはたいてい占い師がいて、大事なことを決定したい時に飲んだりします。
魅力いっぱいのモロッコ
タジンは、煙突型の蓋をした土鍋とそれで作った煮込み料理のこと。日本でいう「煮物」のような存在。クスクスは金曜日に礼拝の後、家族が集まったときに食べる料理。
地中海や大西洋の近くでは魚のフライ、アトラス山脈やサハラ砂漠ではラム肉のブロシェット、農産物が豊富なフェズではケミアと呼ばれる野菜中心の小皿料理。地域が変われば、食だけでなく聴いている音楽も変わります。
タクシーや電車に乗って数時間移動すれば、カーラジオから流れる音楽も変わります。アラブ・アンダルース音楽から、ライ(ブルース)やシャアビ(歌謡曲)、グナワ(黒人系音楽)、エサワ(スーフィー音楽)、トゥアレグ(ベルベル人系遊牧民)の砂漠のブルースまで。
一回行って食べて聴いただけでわかった気にならずに、料理でも音楽でも自分なりに「腑に落ちる」まで何度でも通うのが僕のモットーです。
酸っぱいスパイス 〈スマック〉
トルコでは玉ねぎのサラダが定番ですが、チキンや魚のグリル、ドルマ(野菜にひき肉などのタネを詰めて作る伝統的な家庭料理)にもよく使います。コロンブスの新大陸発見以前、旧大陸にトマトがなかった時代には酸っぱい味を出すにはスマックがメインだったはず。
プロのスパイス 〈ラスエルハヌート〉
モロッコではプロが使うスパイス。特別な料理に使うスパイスで、実は他の中東諸国やフランスの方がもっとカジュアルに使っています。エキゾチックな味にしたい時にぴったり!肉はもちろん、チェリーソースなど甘い味にもよく合います。
スマックとハーブで作る!
中東のふりかけ 〈ザータル〉 Za‘atar
● 作りやすい分量
GABAN® スマックパウダー | …… 9g |
GABAN® セボリーホール | …… 7.5g |
GABAN® タイムホール | …… 4g |
GABAN® オレガノみじん切り | …… 1.2g |
塩 | …… 3g |
白いりごま | …… 18g |
● 作り方
塩とスパイスをブレンダーで数回軽く攪拌し、食感を整えてボウルにあけ、白ごまも加えて混ぜる。
※お好みでオリーブオイル少々を加えても可。
ザータルの配合とは?
ザータルにはスマックとタイムを入れるのが定説だったけど、近年、イギリス人料理研究家によって「ザータルはサマー・セボリーである!」と定義されたそう。
しかし、それだけだと風味が足りないので、やはりタイムとオレガノを混ぜるのがサラーム流。